Paris y es-tu ?


フランスと日本で活躍する絵本作家の神山ますみさんから今度パリで絵本を出すからと言われたのが4年前のことでした。気になってはいたのですが、当時のユーロ高もあって輸入に踏み切れないまま時機を逸していたのでした。

ところが先日、それこそ4年ぶりに神山ますみさんから連絡があり、その絵本を見せて貰い、改めてやっぱり扱いたいとなり、この度めでたく入荷しました。驚くべきことに出版して4年経つのに、いまだにフランスでベストセラーを続けているのです。しかも今年は、ここまでですでに昨年1年間の売上よりさらに5千部も多い売上を出しているそうです。パリではルーブルをはじめとしたあらゆる美術館に置いてあるし、あのプランタンでは大ディスプレーがされていたりとなかなかの人気ぶりなのです。つくづく早く扱うべきだったと思いました。

さてこの大型絵本ですが、内容はテオ少年が散歩の途中にいなくなった愛犬ポチをさがしてパリを巡り歩くという話で、ルーブル美術館凱旋門オペラ座、モンマルトル、ノートルダム寺院オルセー美術館エッフェル塔ヴェルサイユ宮殿などなど、俯瞰で捉えたワイドの画面であらゆるパリが描かれています。

面白いのは、パリに行ったことのある人も無い人も、この絵本の各ページに必ず出てくる、テオ君とポチ、そして黄色い風船が、画面の中のどこにあるのか探しているうちに、いつのまにかパリ巡りをしている気分になれることです。

ほかにもフランス語のテキストですが、各ページのテキストの部分で太字になっているもの、例えばルーブルならLa Joconde、すなわちモナリザが画面のどこかに描かれているのを探すのも愉しみになっています。しかもテオ君がポチと出会えるのだろうかと黄色い風船が最後どうなるかも素敵な結末が用意されてあり、絵をたどるだけで、いつのまにか物語を紡いでしまうのも人気の秘密でしょう。

ちなみに本のフランス語での説明では、テオ君とポチ、黄色い風船、太字テキストの示すものが画面に必ずあるということでしたが、僕は、各ページをじっくり見ていたら、1ページを除くすべてのページにも必ず出てくるものを見つけました。それが何の絵かは言わないでおきましょう。 (文:悦)





book data:
title: Paris y es-tu ? : Le grand livre-jeu de la ville   
publisher: Parigramme
author: Masumi
price: 2800(税込)