石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ


去年このブログで、三浦半島秋谷の丘の中腹にひっそりと建つ古民家にある、本のサロン「サウダージ・ブックス」の代表の淺野卓夫さんからメールがあってその出版物を扱うことになったという話を書きました。その後、今福さんのイベントを行ったり、プロジェットでも気になる存在の出版社となっていきました。先日、その浅野さんから新刊の完成の連絡があり、早速浅野さん自ら納品してくれたのが「石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ」です。

写真評論家飯沢耕太郎が、ザンジバル島への旅の日々を現実と幻想が交差するスタイルで描くショート・ストーリーズ。著者による写真も掲載しています。サウダージブックスの第一弾の「ブラジルから遠く離れて 1935-2000 クロード・レヴィ=ストロースのかたわらで」

に続く本として装幀も良い感じで繋がっています。飯沢さんと言えば写真評論家として日本の写真史についての著書や「デジャブ」の編集長としてなど、写真の世界の人としてのイメージであり、サウダージブックスとどこでどう繋がるのだろうと不思議に思っていたのですが、縁というのは意外なもので、このブログでも何度か紹介した、プロジェットとは長く親しくさせてもらっている写真家のトヨダヒトシさんが昨年、横須賀美術館でスライドショウを行った時に浅野さんに飯沢さんを紹介したそうです。そして、飯沢さんはサウダージブックスに興味を持ち、浅野さんとも親しくなり、本を作ろうということになったそうで、原稿が書き上がった後には、一緒に作品に出ている地へ旅したりもしたそうです。

僕も以前に浅野さんからトヨダさんとは親しくしているのですと言う話を伺って、意外なところで知り合い同士が知らないところで繋がっているなと思っていましたし、そして今回の話を聞いて普通繋がりそうも無いところでも、こんな具合に、人と人はどこでどう繋がるか分からないものだと感心しました。(文:悦)




book data:
title: 石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ
publisher: 発行:サウダージ・ブックス 発売:港の人
author: 飯沢耕太郎
price: 1680(税込)