葛西薫デザイン 2011 CALENDAR

もう今年もあとわずかになりました。この時期になるとカレンダーが売れ始めるのが毎年の通例です。カレンダーも毎年様々なデザインのものが出ますが、さて自分で使うとなるといつも同じものになります。理由は単純で、使いやすくてデザインがいいからです。そんな理想のカレンダーが葛西薫さんがデザインして、毎年アンドーギャラリーから発売されるカレンダーです。

先程デザインがいいと書きましたが、このカレンダーのデザインは何ら奇を衒ったところは無い極めてオーソドックスなデザインなのですが、実に美しく見ていて飽きません。部屋のインテリアとして極上のものなのです。デザインにおける文字のデザイン、タイポグラフィーの重要性を痛切に感じさせてくれる素敵なデザインを数々作られてきた葛西さんだけに、シンプルの極致のデザインの美しさをもたらしています。

それと、紙の真ん中の穴に小さなハンガー(kハンガー:葛西薫さんが以前に仕事で作ったオリジナルのハンガー)を通して掛けるので、デザインを傷つけずに一年通して使えるのも素晴らしいアイデアです。このカレンダーのシンプルなデザインは、メモの書き込みがしやすい実用性が高いものなので、毎年、色々なメモをして、ほとんど備忘録と化してくるのです。それだけに、一般的なカレンダーの様に毎月剥がして捨てていくのではなく、一年通して使えるので、書き込みを思い出したい時にもチェック出来るのでありがたいのです。

このカレンダーのプロデュースは、アンドーギャラリーの代表であり、アート・建築・デザインのプロデューサーとして長年活躍してきた安東孝一さん。その仕事は多岐に渡っており葛西さんとの『東京都立つばさ総合高等学校 アートワーク』(東京都立つばさ総合高等学校・東京)や『明治製菓「100%ChocolateCafe.」インテリアデザイン グラフィックデザイン』(明治製菓・東京)『THE TOKYO TOWERS ラウンジ・ゲストルーム インテリアデザイン』(オリックス不動産 東急不動産 住友商事・東京)などから、『インタビュー』『NEW BLOOD』や『くうかん』『Graphic』といったアート・建築・デザインの分野の優れた人たちの仕事をビジュアルだけでなくインタビューも交えた形式で紹介する安藤さんの著書、現代美術のギャラリーの運営などなど実に見事なものですが、この些細なカレンダーのプロデュースが実は一番多くの人に影響と貢献をしていると僕は思ったりします。そんなことを言うと安藤さんがあの独特の口調で文句言いそうな気がしますが...(笑) (文:悦)






book data:
title: 葛西薫デザイン 2011 CALENDAR AG-017   
publisher: ANDO GALLERY 
author: デザイン:葛西薫 
price: 1260(税込)


title: 葛西薫デザイン 2011 CALENDAR AG-018   
publisher: ANDO GALLERY 
author: デザイン:葛西薫 
price: 1260(税込)