2010-01-01から1年間の記事一覧

叢書 群島詩人の十字路 マイケル・ハートネット+川満信一 詩選 今福龍太編

このブログで、幾度か紹介している「サウダージ・ブックス」の刊行するシリーズに昨年第1弾の『アルフレッド・アルテアーガ+高良勉詩選』により始まった『叢書 群島詩人の十字路』があります。 複数の言語間の揺らぎを持つ詩人たちを毎回二人一組で紹介する…

sweet dreams vol.4

妄想と現実のぶつかり稽古を見学する音楽読本sweet dreams(スウィート・ドリームス)第4号が先日から店頭に出ている。今回の4号は前号から更に100ページ増量して計296ページ。厚みが2センチほど、手を離してもテーブルの上で立つ部厚い本です。特集は「トラ…

葛西薫デザイン 2011 CALENDAR

もう今年もあとわずかになりました。この時期になるとカレンダーが売れ始めるのが毎年の通例です。カレンダーも毎年様々なデザインのものが出ますが、さて自分で使うとなるといつも同じものになります。理由は単純で、使いやすくてデザインがいいからです。…

石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ

去年このブログで、三浦半島秋谷の丘の中腹にひっそりと建つ古民家にある、本のサロン「サウダージ・ブックス」の代表の淺野卓夫さんからメールがあってその出版物を扱うことになったという話を書きました。その後、今福さんのイベントを行ったり、プロジェ…

hao vol.18

雑誌ハオの最新号が出来たと言う事で、代表の松村さんから連絡があったのがつい数日前。さっそく納品がてらお店に来てくれました。hao(ハオ)は、もともとは松村さん自身も通っていた造形教室のメンバーたちが作品の発表の場を求めて、誌上ギャラリーとして始…

大野一雄 年代記 1906-2010

2010年6月1日に他界した世界的舞踏家大野一雄さん。103才でお亡くなりになられたのですが、どう考えても1000年(!?)は生きると思っていたので意外でした。そんな訳でお店ではちょっとした追悼コーナーを作っています。 中でもその中心に置いてあるのは、最新…

Paris y es-tu ?

フランスと日本で活躍する絵本作家の神山ますみさんから今度パリで絵本を出すからと言われたのが4年前のことでした。気になってはいたのですが、当時のユーロ高もあって輸入に踏み切れないまま時機を逸していたのでした。 ところが先日、それこそ4年ぶりに神…

鈴木海太『BABA GANGA KI NARE WALA』『HOTEL NANDI』

突然8年ぶりで鈴木海太さんからTELがあったのが数日前のこと。 8年前、プロジェットがまだ渋谷にあった頃、インドで作った画集を預かって売ったことがあった。『SUPER』といタイトルの南インドの人々を描いたその本はすぐに完売した人気の本でした。鈴木さん…

吉永マサユキ・森山大道フォトワークショップresist写真集『resist photo workshop vol.4』

吉永マサユキ(塾長)さんと森山大道(特別講師)さんが講師を務めるというのが何とも魅力なルーニィ・247フォトグラフィーが主催する写真の学校resist。 その第4期修了生による写真集が刊行された。今回の内容は14名の受講生(阿南浩志 / 伊藤藍 / 岩田栄二 / 榎…

saji 03

今日8月27日で、PROGETTOは11周年です。もう終りだろうと思いつつぎりぎりでなんとか続いています(苦笑)。さて、zine特集の書籍の取材のことがあって、お店のお勧めのひとつで提案しようと思っていたのが『saji』です。料理を扱う雑誌としては思いっきり独自…

jasmine zine #8 "country"

zineに関する取材を先日受けた。お店のお勧めを5冊ということで、なるべくバラエティ感のある選び方をしようと思っていたのですが、そのひとつに選んだのがプロジェットでは取り扱い始めたばかりのjasmine zine。 プロジェットのホームページを見たとかで、…

Ahaus No.9 (アーハウス 9号) 特集 風景は成長したか

本や雑誌を見ていて、本筋と関係ないところで気になってそれを辿って行くと意外な発見があるというのがごくたまにあります。そんな時はなんだかとても嬉しい気分になるものです。ついこのあいだ、青森発の建築雑誌Ahausの最新号が約一年ぶりに届きました。年…

ストラップマスコット「めるめるちゃん」

お店にはときどきお客さんで来た作家さんが買い物のついでに、自分の作品を取り扱ってもらえますか?と尋ねられることが多い。10日程前に来店した若い女性の人からも同じ質問をされた。そしていつも通り作品を見せて頂いて、扱うことになりました。 めンめモ…

新倉孝雄写真集『DIZZY NOON』 サイン本

新倉孝雄さんの新しい写真集『DIZZY NOON』を手に取ってまず思ったのは『近くて遠い』と言う言い回しだった。 1965年5月9日、米軍基地の公開日という1日だけのアメリカ体験を楽しむ人々を捉えたスナップショットからなるこの写真集では人々が皆特別なところ…

トヨダヒトシさんのこと

暦を見ながら暑い八月になったなあ、プロジェットがオープンしたのも8月だったよなあと思っていたら、偶然にも去年の夏のブログでプロジェットの10周年と共に紹介した、ニューヨーク在住の写真家のトヨダヒトシさんからメールが届いてました。1年ぶりに日本…

陰影のデザイン 都市と建築の照明

照明デザインの第一人者として活躍されている、面出薫さんを中心としたLPA(ライティングプランナーズアソシエイツ)の最新著作兼作品集が先頃刊行された。 ここのところ都市と本の話にこだわりつつ、パリ、ニューヨーク、東京と辿ってきたせいもあって、面出…

PETER SUTHERLAND『TOKYO NATURAL FANTASY』とROCKET BOOKS

ここのところブログでの本紹介が都市の話に偏っているなと思いつつパリ、ニューヨークときたらやはり東京だよなと思う。とはいっても東京にまつわる本なぞ嫌になるほど多い。そんなことを思って棚の整理をしていたとき、目の前に最近取扱が始まったROCKET BO…

野上眞宏写真集『NEW YORK HOLY CITY サイン本』

ニューヨークへは一度しか行ったことがない。プロジェットを始める時に、ニューヨークの書店を見たくて行ったきりだ。ヨーロッパの書店はフランスやイタリアを中心に、大型店から専門店まで、それなりに見て回ってたけど、ニューヨークは聞いた話だけだった…

福本美樹写真集『a paris』

はじめて、パリに行ったのはずいぶん昔になる。それから15年ぐらいの間に7〜8回行った。友人が住んでいたので、いつも10〜20日は滞在していた。そんな訳で、イタリア好きと言いながら実はフランスにばかり行っていた私だけど、最近は全然行っていない。 とは…

石内都写真集『tokyo bay blues 1982-1984』 サイン本

石内都さんの最新の写真集が入荷した。 この『tokyo bay blues 1982-1984』は戦後の写真史に大きな影響と足跡を残した雑誌『カメラ毎日』が休刊する直前に連載された「Tokyo Bay City」を再構成したものだそうだ。私は残念ながら当時連載を見ていないのです…

慶應義塾大学アート・センター・ブックレット 18「文化観光 『観光』のリマスタリング」

ART

慶應義塾大学アート・センターが発行するブックレットは編集委員によって、毎回テーマを決め、未発表のオリジナルの論文が掲載されているもので、アートを狭く論ずるのではなく、経済やメディアなど幅広い側面からアプローチしたテキストが集められており、…

追悼:大野一雄

朝テレビを見ていたら、「国際的舞踏家大野一雄さんが1日午後4時38分、呼吸不全のため横浜市内の病院で死去した」との訃報が流れてました。びっくりした。つい先日、大野さんの21世紀に入ってからの作品を集めたDVD『大野一雄 花/天空散華 いけばな作家中川…

Newspaper PUNCTUM TIMES:RISAKU SUZUKIA TOHNO 鈴木理策『遠野』

以前このブログでも紹介したPUNCTUMの発行する写真新聞『プンクトゥム・タイムズ』。そのリニューアル第3弾が刊行。今年が柳田國男の『遠野物語』が自費出版されて100年だからというわけでもないのでしょうが、鈴木理策さんの『遠野』です。 柳田國男の『遠…

万田邦敏『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』

このところ急に暑くなり、冬から夏へと飛び越した感があります。つい先週までの寒かった春はどこに行ったのか記憶も薄れてきていますが、そんな寒かった春の日に、「港の人」というまるで映画か小説の題名のような出版社の美しい女性編集者がお店に来ました…

ASPHALT 5号

以前にこのブログで紹介した写真雑誌のASPHALTの最新号である5号が出ました。 藤原敦さんと唐仁原信一郎さんのレギュラー写真家2名に毎号国内外のゲスト写真家を迎えて、それぞれ視座の異なる四人の写真を一冊にまとめてるというスタイルも定着してきた感じ…

Kusama Presents an Orgy of Nudity, Love, Sex and Beauty

ART

お店の棚を眺めていると時々ああこんなのあったなと言う商品が出てきます。 これは、草間彌生が1969年にニューヨークで自ら発行したタブロイドを2001年にリプリントしたもの。 けっこうどきついパフォーマンスぶりが1960年代のアメリカの状況を反映していて…

タイガー立石 TRA(トラ)

赤塚不二雄にも影響を与えたといわれる鬼才漫画家タイガー立石。ナンセンスギャグが満載の全漫画集が祖父江慎アートディレクションで登場しました!未収録作品やおまけもたっぷりです。 各漫画ごとに紙の素材や質感を変えてあったり、コマがらせん状に動くペ…

カトリーヌ・スパークやブリジット・バルドーの特集上映パンフ

映画を見る時というのは単にストーリーやスターが気になって見ているだけではなく、映像や音楽やファッションやインテリアなど、様々な側面が興味の呼び水になります。特にリバイバル上映されるものはそうした側面の方が大きいものです。そうしたリバイバル…

本の手帳 第8号 特集:饒舌大陸 本の話が止まらない

共に屈指の本の愛好家であるアートディレクターの大貫伸樹さんと古書店主田中栞さんの2人が創刊した書物雑誌『本の手帳』も8号目まできました。毎号、書物に関する記事を掲載し、本の世界のデザイン的側面を歴史的にこれほど深く愉しく掘り下げて見せてくれ…

山川彌千枝「薔薇は生きてる」

『今日は雪が降った。寝ていてはわからない私に、神様は、窓のでっぱりに散らして見せてくだすった。雪を食べた。天から降って来た雪は、白くて、つめたくて、さくさくとやわらかく、やわらかかった。』 起こった出来事を、そのまま素直に書いているだけなの…