Newspaper PUNCTUM TIMES:RISAKU SUZUKIA TOHNO 鈴木理策『遠野』

以前このブログでも紹介したPUNCTUMの発行する写真新聞『プンクトゥム・タイムズ』。そのリニューアル第3弾が刊行。今年が柳田國男の『遠野物語』が自費出版されて100年だからというわけでもないのでしょうが、鈴木理策さんの『遠野』です。

柳田國男の『遠野物語』に触発されて、ここ数年来、遠野を訪れている鈴木さんが、何でもない日や祭日に、あの世とこの世が交錯する瞬間やその前後を捉えたかのような写真が並びます。

以前にもちょっと書いたんですが、プンクトゥム・タイムズが写真を新聞という形態で表現するアイデアは面白いと思いました。号を重ねてくるにつれ、それはより思いますね。特に最近、新聞という形態は、実は表現媒体として非常に興味深い特性を備えた面白いものだと店にある商品を見ながら感じていたので、これからプンクトゥム・タイムズはどう展開していくのかとても気になるところです。



そのお店にある新聞という形式を活かした商品についていうと、TDC受賞で一躍注目を浴びた絶影書体の新聞版「絶影新聞」と草間弥生さんのニューヨーク時代に自主制作した「Kusama Presents an Orgy of Nudity, Love, Sex and Beauty」が特にお客さんの反応が高いものとしてあげられます。


新聞というのはほとんどの家庭に置いて日常風景の一部をなしてきたものです。誰しもが子どものころから親しんで特別な意識もなく手にしてしまう、その気軽さ、親しみやすさに目をつけて制作したのが絶影書体の加納さんによる絶影新聞。

加納さんはこの読めない書体(?!)をいかに普及させたらよいか考えたとき思いついたのが、新聞の持つこの特性だったそうです。

また草間弥生さんの新聞はニューヨークという異文化の中でのセンセーショナルなアートの発信という事が、新聞の持つニュースの発信と結びついていると思いますね。

今挙げた二つは、それぞれ美術とデザインという括りになりますね。そして、プンクトゥム・タイムズは写真となるわけで、こうして見ると、新聞というのは面白いと増々感じます。 (文:悦)





book data:
title: Newspaper PUNCTUM TIMES:RISAKU SUZUKIA TOHNO 鈴木理策『遠野』
publisher: PUNCTUM
author: 鈴木理策
price: 525(税込)




book data:
title: 絶影新聞 
publisher: ZETUEI FONTS
author: ZETUEI FONTS (加納佳之) 
price: 100(税込)




book data:
title: Kusama Presents an Orgy of Nudity, Love, Sex and Beauty
publisher: Les Presse Du Reel
author:草間彌生
price: 2100(税込)