ヒーシーイット アクア


漫画や、イラスト、細野晴臣さんのCDジャケットのデザインなど、様々な方面で活躍しているウィスット・ポンニミットさん(通称タム君)が2003年にタイで刊行した「hesheit」の第8巻に、本人による和訳と作品ごとの自作解説を加えた『ヒーシーイット アクア』


11編の小さな物語が収録されています。


中でも私は「目の病気」という話が妙に気になりました。
ある日ふと、体中に目玉が現れてしまった女性の話。
そこに来た彼とのやり取りが、突飛な設定に関係なく何だかすごく自然で、温かいものでした。
妙に好き。


ところでヒーシーイットってなんだろう?

タイ語なのかな、と思いつつ本の最後の方を読んでいると、谷川俊太郎さんの解説の中に意味が書いてありました。

ヒー(He)シー(She)イット(It)

「彼・彼女・それ」


読み終わってから知ると、いいタイトルだなぁと感じました。(谷川さんもそう感じたようです)

ピッタリ。

タイ人であるタム君の描く、甘くて酸っぱくてちょっと辛い不思議な世界に浸りましょう。

プロジェットにお越しの際は、ぜひ手にとってごらんになってください。(文:わらし)


book data:
title: ヒーシーイット アクア
publisher: ナナロク社
author: ウィスット・ポンニミット 
price: 1000(税込)